胡蝶蘭をギフトとして贈る際、悩むポイントの一つが色選びではないでしょうか。定番の白から華やかなピンク、珍しい青までさまざまな色がありますが、選ぶ色によってギフト全体の印象は大きく変わります。
また、お祝いのシーンとお悔やみのシーンでは選ぶべき色やマナーが異なりますし、ビジネスシーンかプライベートな贈り物かによっても適切な色は変わってきます。ただきれいな色を選ぶだけでなく、TPOに合わせた色選びが、相手への心遣いを示す上でとても重要です。
この記事では、胡蝶蘭の代表的な色(白・ピンク・リップ・黄色・オレンジ・紫・青)を取り上げ、それぞれの色が与える印象や、どのようなシーンに適しているのか、そして色選びで失敗しないためのマナーやポイントを分かりやすく解説します。
色別: 胡蝶蘭の特徴と適したシーン
白(ホワイト) – どんなシーンにも対応する王道カラー
白い胡蝶蘭は、清らか、高貴、上品、フォーマル、清潔といった印象を与えます。
最もスタンダードで、どんな相手・場所にも馴染みやすく、失敗がありません。
迷ったら白を選べば間違いない、絶対的な安心感があります。
適したシーン
全てのシーンに対応可能です。
- ビジネスギフト: 開店・開業、就任・昇進、移転など、特にフォーマルさが求められる場面では最適。
- 個人ギフト: 結婚祝い、新築祝いなど。
- お供え・お悔やみ: 弔事用として白は最も一般的に用いられる。
ピンク – 優しさと華やかさを添える
ピンクの胡蝶蘭は、優しい、可愛らしい、華やか、幸福感といった印象を与えます。
女性への贈り物として特に人気があります。色の濃淡で雰囲気も変わります。
適したシーン
- 個人ギフト: 母の日、誕生日(特に女性)、記念日、出産祝い、お礼などに。
- ビジネスギフト: 美容室やカフェ、アパレルなど女性向け店舗の開店祝いや、女性経営者への贈り物に最適。白より少し柔らかな印象を与えたい場合に。
赤リップ(白赤) – お祝いムードを高める縁起色
赤リップの胡蝶蘭は、白い花びらの中心が赤やピンクに色づき、「紅白」でおめでたい印象を与えます。
華やかさがありながら、ベースが白なので上品さも保たれます。
適したシーン
- お祝い事全般: 開店・開業、周年祝い、当選・受賞祝い、長寿祝いなど、おめでたい気持ちをストレートに表現したい時に最適。ビジネスシーンでも広く使われている。
黄色(イエロー) – 明るく元気な印象を与える
黄色い胡蝶蘭は、明るい、元気、希望、幸福感といったポジティブな印象を与えます。
「金運アップ」のイメージから選ばれることも。
適したシーン
- ビジネスギフト: 開店祝い(特に飲食店など活気を出したいお店)、移転祝いなどに。
- 個人ギフト: 誕生日、引越し祝い、父の日、長寿祝い(米寿など)、お見舞い(元気づけたい場合)。
オレンジ – 温かさと親しみやすさを与える
オレンジの胡蝶蘭は、温かみ、元気、親しみやすさ、活気といった、陽気でポジティブな印象を与えます。空間を明るく彩り、見る人を元気にしてくれるようなビタミンカラーです。
白やピンクほど一般的ではありませんが、ユニークで印象的なギフトになります。小ぶりなミディタイプで見かけることが多い色です。
適したシーン
- 個人ギフト: 誕生日、引越し祝い、発表会、友人へのプレゼント、父の日など、親しい間柄での贈り物に。
- ビジネスギフト: カジュアルな雰囲気の店舗(カフェ、雑貨店など)の開店祝い、イベントの装飾など、明るさや個性を出したい場合に。
紫(パープル) – 上品で落ち着いた高級感を演出
紫の胡蝶蘭は、高貴、上品、尊敬、落ち着き、神秘的といった印象を与えます。
洗練された大人の雰囲気があり、他とは少し違う特別感を演出できます。
適したシーン
- 個人ギフト: 長寿祝い(古希・喜寿など)、敬老の日、恩師など目上の方への贈り物、退職祝い。シックなインテリアに合わせて贈りたい場合にも。
- ※お供え: 落ち着いた色合いから弔事に用いられることもあるが、基本的には白にしておいたほうが無難。
青(ブルー) – 希少性とサプライズ感を演出

ブルージーン
青い胡蝶蘭には、珍しさ、神秘性、サプライズ感があります。その希少性から「奇跡の色」とも呼ばれます。
元々自然にはない色なのですが、現在ではブルージーンという遺伝子組換えによって作り出された品種が市場に流通しています。こちらは紫がかった青色をしています。
適したシーン
- 他にはない特別なギフトを贈りたい場合、イベントでのアイキャッチ、企業のコーポレートカラーに合わせて、など個性を重視する場面に。
染色された胡蝶蘭について

ブルーエレガンス(染色)
黄色、オレンジ、紫、青の胡蝶蘭には、染色されたものがあります(染料を根から吸い上げるタイプと花弁に吹き付けるタイプ)。
これらの胡蝶蘭は、自然に交配されたものより色鮮やかで、大ぶりのサイズも選べます(自然交配した色付きの品種は小ぶりなものが多い)。
染色された胡蝶蘭をギフトとして贈ることに問題はありませんが、念のため、フォーマルな場や伝統を重んじる方へは避けておいたほうが無難です。
胡蝶蘭の色選びで失敗しないための重要ポイント
色選びで最も大切なのは、贈る目的と相手への配慮です。以下の4つのポイントを押さえましょう。
① シーン(TPO)を最優先に考える
ビジネス・フォーマルの基本は「白」。次点として「リップ」。格式高い場ではこの2色が最も安心です。
プライベート・カジュアルでは、相手の好みに合わせて「ピンク」「黄色」なども選択肢に入ります。
お供え・お悔やみの場合は、必ず「白」を基本とします。「紫」を少し加えることもありますが、地域や宗派による違いもあるため、迷ったら白一色(白上がり)が無難です。ラッピングも白や寒色系の落ち着いたものを選びます。赤やピンク、黄色などの明るい色は避けましょう。
② 与えたい印象で選ぶ
「上品さ・フォーマル感」→ 白、紫
「華やかさ・お祝い感」→ リップ、ピンク
「明るさ・元気」→ 黄色
「優しさ・可愛らしさ」→ ピンク
「驚き・個性」→ 青
③ 相手の好みやコーポレートカラーを考慮する
もし相手の好きな色や、贈る会社のコーポレートカラーがわかっていれば、それを取り入れると大変喜ばれます。ただし、お供えの場合はマナーを優先してください。
④ 迷ったら「白」を選ぶ
どの色がいいかどうしても決められない場合は、万能な「白」を選んでおけば、まず失敗することはありません。
まとめ
胡蝶蘭の色選びは、ギフトの印象を大きく左右する重要なステップです。それぞれの色が持つイメージや適したシーン、そして守るべきマナーを理解することで、相手により深く気持ちが伝わるようになります。
この記事を参考に、贈る相手や目的に合わせて最適な色を選び、自信を持って胡蝶蘭ギフトを贈りましょう。
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