紫は、古来より日本では高貴な色とされてきました。聖徳太子の時代にあった冠位十二階でも、最高位は紫だったといわれています。紫には神秘的な魅力があり、身のまわりのものに好んで使用する人も多いです。
この記事では、紫の花が持つイメージや花言葉、特に喜ばれるお祝いシーン、そしてギフトとして贈る際に気をつけたいマナーについて、詳しく解説していきます。
紫の花が持つイメージ
歴史的に位の高い人が身につける色とされてきたことから、気品や高級感、格調高いイメージがあります。特別な贈り物にふさわしい、落ち着いた華やかさを持っています。
深みのある紫は、どこか謎めいていて、人の想像力をかき立てる色です。スピリチュアルな感覚を表現する時に使われやすい色でもあります。
非常に個性的な色であり、クリエイティブで芸術的な雰囲気を持っています。紫は、赤(情熱)と青(冷静)という相反する性質を持つ色の混合であり、感情と理性を行き来する創作活動と親和性が高いです。
紫の落ち着いた色味は、時に寂しさや憂いを感じさせます。特に薄紫は、哀愁やはかなさを表現するのに使われることがあります。
オススメのギフトシーン
日本の伝統的な習わしとして、古希(70歳)と喜寿(77歳)のお祝いの色は紫とされています。この2つの長寿祝いに紫色のものを贈ることは定番であり、大変喜ばれます。紫色のちゃんちゃんこなどとともに、紫の花で盛大にお祝いしましょう。
大人の女性や男性へ、落ち着きと品のあるお祝いとして。特に紫色が好きな方へは最高のプレゼントになります。空間をシックに彩る紫の花は、おしゃれな方や、本物志向の方にも好まれます。
エレガントでロマンチックな雰囲気を演出し、2人の特別な日を彩ります。定番のピンクや赤とは一味違う、印象深いギフトとして記憶に残りやすくなります。
美容院、エステサロン、ブティック、バーなど、洗練された雰囲気や高級感を大切にするお店へのお祝いにも選ばれます。

紫とグリーンは映える組み合わせ
紫の花を贈る際の注意点
上品で魅力的な紫の花ですが、贈る際にはいくつか注意すべき点があります。マナーとしてしっかり押さえておきましょう。
体調が優れない方へのお見舞いの品に、紫色の花を使うのは控えたほうがいいでしょう。紫は時に「不安」「悲しみ」「死」といったネガティブなイメージを連想させることがあり、療養中の方に贈るのには不向きとされています。

お供え物に使われることが多い配色
白と紫(特に薄紫)の色合わせは、日本ではお供えや仏事に使われる最も代表的な組み合わせです。そのため、お見舞いはもちろん、結婚祝いなどのお祝い事全般においても、この色合わせは避けるのが無難です。お祝いのシーンでは、黄色やピンクなど、明るい色と組み合わせるようにしましょう。
紫色は、他の色に比べて好みが分かれやすい色といわれています。また、女性と比べて男性にはあまり人気がないというデータもあります。相手が紫を好むかどうかわからない場合や、男性へ贈る場合には、他の色をメインにするか、淡い紫をアクセントとして使うなどの配慮があるといいでしょう。
ギフトにオススメの紫の花の種類と花言葉
紫色の花には、エレガントで美しい種類がたくさんあります。ギフト選びの参考に、花言葉とともにいくつか紹介します。
- バラ(紫): 花言葉「尊敬」「誇り」「上品」。特別な敬意を伝えるのに最適。
- トルコギキョウ: 花言葉「優美」「希望」「すがすがしい美しさ」。フリルのような花びらが華やかで上品。
- アイリス(アヤメ): 花言葉「よい便り」「希望」。凛とした姿が美しく、知的な印象も。
- ラベンダー: 花言葉「沈黙」「繊細」「優美」。心地よい香りでリラックス効果も。ドライフラワーとしても人気。
- カンパニュラ(釣鐘草): 花言葉「感謝」「誠実」。ベルのような可愛らしい花姿。
- 胡蝶蘭: 花言葉「幸福がやってくる」「純粋な愛」。格調高く、豪華なお祝いにぴったり。古希・喜寿祝いにも大変人気。
- スイートピー: 花言葉「門出」「やさしい思い出」「デリケートな喜び」「繊細」。春の門出のお祝いに。
- クレマチス: 花言葉「精神の美」「旅人の喜び」「高潔」。つる性の美しい花。
「ブレイキングバッド」に出てくる紫
花そのものというわけではないのですが、紫色のコーディネート例をひとつ紹介します。
アメリカのドラマ「ブレイキングバッド(Breaking Bad)」で、主人公ウォルターホワイトの義理の妹であるマリーは紫が好きらしく、部屋のすべてを紫で統一しています。もちろん部屋に飾ってあるフラワーアレンジメントも紫のもののみで、劇中で紫の花束を持っているシーンもあります。
紫一色というとけばけばしい印象があるかもしれませんが、色調の異なる紫をうまく合わせるなど、非常にセンスのある部屋になっています。
ここまで統一することは難しいでしょうが、色の合わせ方の参考になると思うので、機会があったらぜひチェックしてみてください。
まとめ
高貴さと神秘的なイメージがあり、芸術性を感じさせる紫色の花は、大切な方へのフラワーギフトにぴったりです。
その一方で、お見舞いには避ける、白との組み合わせには注意するなど、贈る際には配慮も必要です。
この記事を参考に、贈るシーンに合わせたすてきな紫のフラワーギフトを選んでください。